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天国への準備 2 [養育里親中<5歳>]

お葬式当日の朝。

Kは、ソワソワ落ち着かない。家を出発するのは、11時の予定。

式場に着いても、ソワソワ……

桃子(妹)に、桃太郎(4歳)も来てるし、弟も来てるし、もう1人のばあたんも来てるし、いつしか遊んでくれたオバさんも来てるし、落ち着かない。式が始まったらどうなることやらとおもっていたけれど、そんなに心配なかった。

すぐ後ろの席に桃太郎が座っていたのだけど、桃太郎がお母さんにべったり甘えている姿をみて、Kもwineにべったり甘えてきた。

ただ、wineはこの日は、朝から体調不良。式の最中も一度だけ、外に出てしまった。
Kがもたれてくると、ちとしんどい。

お焼香の時は、wineのマネをして小さな手を合わせたり、一緒にお辞儀をした。

お数珠は、wineが子供の時使っていた朱赤のものをKにもたせた。
ばあたんに、「男の子に朱だなんて…」と言われたけれど、そのお数珠は、wineが養女としてこのウチに来る時に産んでくれた母が持たせてくれたもの。小さいうちだけだし、Kに持たせたい。

出棺の時、「ちょっとずつ天国に行くんだよ。今から車(霊柩車)に乗るからね。」

Kは目をまん丸くして、「車に乗って天国へいくの?」

wine「ん〜とまだだよ。一緒に行くからね。」

火葬場に到着し、お顔を見れるのは、本当に最後。最期。

wine「K、オジさんには、もう会えないからね。最後だからね。」

Kは、いきなりわあ〜っと泣き出した。

K「オジさんとおわかれしたくない。K、かなしい〜!!」

Kの顔を見ると本気。わかっているのだろうか?

Kと亡くなった叔父とは、5回ぐらいの面識。

叔母がKに歩み寄ってきた。「K君、来てくれて有難う。オジさんはね、K君みたいな孫が欲しかったの。」

何か通じるものがあったのだろうか。

扉の向こう側に入って行く棺をみて、Kは、「あの向こう側が天国なの?」と聞いてきた。

wine「まだだよ。オジさんはね、お骨になってね、しばらくはお家にいてね、それからね、お墓に入るの。ちょっとずつ天国へ行くんだよ。」

お骨は、Kには、見せない事にした。
wineが思っているより、Kは、感受性が強そうだ。




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コメント 2

ケン桜木

Kくんの中で、叔父さんとの思い出が蘇り、優しい叔父さんにもう会えないことをちゃんと理解できたのですね。
Kくんにとって、お別れする悲しみを経験することで、また一つ大切なものを得たわけですね。
冠婚葬祭は、施設にいたら経験出来ないことでしょうからね。
by ケン桜木 (2014-05-06 10:33) 

wine

ケン桜木さんへ
Kは、今日も「あのオジさんには、もう会えないんだね…」と聞いてきました。死ぬということがどういうことなのか、子供なりに考えている様子でした。
Kが施設に入所していた時の職員の話を思い出したのですが、「施設での生活は経験できることが限られています。」と言ってました。その時はなんとなく聞いていたんですけど、だんだん、わかってきました。

by wine (2014-05-06 18:59) 

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